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目次

■【初めて発表会に参加されるご家族の皆さまへ】

─2024年度 個人実技レッスン発表会に際して─ アノネ音楽教室代表 笹森壮大より

保護者の皆さまへ

この度は、発表会おめでとうございます。

本日の発表会に向けて、子どもたちは何か月もの間コツコツと練習を続けてきたことと思います。その道のりは多くの場合決して順風満帆ではなく、一進一退ありきだったのではないでしょうか。

私たち指導者は、たった一人でステージに立つ子どもたちを、保護者の皆さまとともに期待と緊張が入り交じる思いで見守っております。私自身はアノネ音楽教室の代表として、発表会という年に1度の大きな舞台で、全ての子が「成長の糧」を得られることを心から願っております。

さて、これまでの発表会でのお話を一つご紹介いたします。

当教室の発表会が始まって2年目のこと。2年生でピアノ科のAくんは、発表会に向けて毎日2時間練習していたそうです。彼がコツコツと努力を重ねて臨んだステージでの演奏は、どこまでも丁寧で、一音一音がとても大切にされていました。まさに心に響く演奏だったのです。

後日彼と会ったとき、「Aくん、発表会での演奏には本当に感動したよ」と声をかけました。するとAくんは 「せっかくたくさん練習して弾いたのにミスしちゃった。あれは失敗だったよ」と言うのです。すかさず「いやいや本当によかったよ」と言ったのですが、Aくんの表情を見ると、失敗に対しての慰めにしか聞こえていないかのようでした。

発表会は点数がつく競技でもなければ、順位が決まったり評価を受けたりするコンクールとも異なるものです。 音の間違いや、緊張で指がもつれること、繰り返し忘れなど、起こり得るミスはたくさんあります。弾けないところを時間をかけてたくさん練習してきたからこそ、本番でミスがあれば、親子ともに悔しさや落胆する気持ちがこみ上げてきます。しかし、たった一瞬のミスのせいで数か月間の努力がかすむことはありません。積み重ねた努力に比べれば、一瞬のミスは取るに足らない出来事です。